脳卒中の方を担当した時に初めに思い浮かぶ評価項目がブルンストロームステージだと思います。ブルンストロームステージの検査を行う際、ただ検査を行うだけになっていてはまだまだです。今回、ブルンストロームステージの解釈の仕方に関して、運動麻痺、筋力低下、筋緊張の関係性から考えていきます。
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目次
ブルンストロームステージを使用しているのはリハビリ職種だけ?!
これ、驚きですよね。
ブルンストロームステージは脳卒中に関係のある職種であればだれでも使用しているものだと思っている人もいるのではないでしょうか。
私の地域には県立医科大学がありますが、申し送りにはドクター、ナース、リハセラピスト含め、ブルンストロームステージではなくMMTを使っています。
教科書的には、中枢性麻痺の方には筋力の概念は通用しないと習ってきているかもしれません。
しかし、脳卒中においては筋力低下という概念も大切になるのです。
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ブルンストロームステージではどのような要素が評価できるのか
ブルンストロームステージは、運動麻痺の回復過程を表しているものです。
まず、運動麻痺について考えていきます。
運動麻痺とは、随意運動の機能障害をさしています。
また随意運動とは、自分の意思または意図に基づいた運動をさします。
すなわち、運動麻痺とは「自分の意思または意図に基づいた運動ができない状態」をさします。
しかし、ブルンストロームステージでは純粋に運動麻痺を評価しているかというと、そうではありません。
ブルンストロームステージでは、伸張反射の異常、異常な連合反応、共同運動パターン、運動単位の動員異常という4つの要素を丸ごと含めて評価が行われます。
この中で運動を実行することに関するのは、共同運動パターンと運動単位の動員異常になります。
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各ステージではどのような要素が評価できるか
ステージ1:運動麻痺以外の要素が強い
ステージ2:運動麻痺以外の要素が強い
ステージ3:分離運動の障害(共同運動パターン)、筋緊張の要素
ステージ4;筋力低下の要素、筋緊張の要素
ステージ5:筋力低下の要素
ステージ6:スピード(下位運動ニューロンの発火速度)
運動麻痺では、一次運動野から皮質脊髄路のなかのどこかに損傷がみられます。
その損傷部位により、どのような要素の症状が出るかが決まります。
一次運動野は、運動パターンの出力・抑制を行う部位であり、単関節が他の関節の動きと一緒に動かないかということに関係します。
これはすなわちステージ3の要素に強く関わるということです。
皮質脊髄路では、下位運動ニューロンの発火・動員数に関係する部位であり、筋収縮の力(筋出力)に関与します。
これはすなわち、ステージ4・5における筋力低下の要素と関係します。
また皮質脊髄路は下位運動ニューロンの発火速度にも関与することから、ステージ6のスピードテストに関係していることになります。
詳しくは、以下の記事も参照してください。
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