関節リウマチでは、薬物療法に加えてリハビリテーションを行うことも重要になります。今回、関節リウマチの作業療法について、実施の際に注意することについてまとめていきたいと思います。
目次
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関節リウマチの作業療法における目標は
関節リウマチの作業療法では、以下のことに着目しながら目標を設定していきます。
・関節可動域の維持・改善
・筋力の維持・改善
・手指巧緻性の維持・改善
・耐久性の維持・改善
これらは機能的な維持や改善が目標になります。
作業活動を行う際には、活動量と変形を助長させない肢位をとれるようにすることが大切になります。
また、作品作りを通して上記目標を達成するためには、作品の大きさや素材、作業を行う台の高さなどについて、詳細な段階付けが必要になります。
・ADL、IADLの動作方法の学習
・生活リズムの調整
・心理的サポート
これらは、活動・参加レベルまたは個人因子レベルへの働きかけになります。
関節リウマチでは、長期的に病気と向き合っていく必要があることから、これら活動・参加レベル、個人因子レベルでの援助も必要になります。
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リハビリテーション実施にあたり考慮するべきこと
作業療法は機能的なところばかりをターゲットにしているわけではありません。
対象者の生活環境を把握しながら、普段対象者がどのような生活を送っているのか、そのパターンを把握し、その中で関節リウマチがどの動作にどのような影響を与えているかを把握していくことが重要になります。
その中で、適度な運動量と適度な安静を維持しながら、廃用性の機能低下や過用性の機能低下を防いでいきます。
作業療法として行うべきことは、
・対象者、またはその家族に対する教育
・日常生活の動作指導、関節保護
・スプリントの作成
・運動指導
・住宅改修の相談
などがあります。
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関節リウマチと関節保護
関節リウマチでは、関節の破壊が進み、変形や痛みが増悪してしまうことがあります。
また、その原因として、普段の生活動作方法の不適切さによる影響も可能性としては考えなければなりません。
関節リウマチの対象者が、日常生活を送る上で気をつけなければならないことは、
”関節保護”の考え方です。
関節保護の考え方としては、
・痛みの除去
・大きい関節を使用する
・適切な姿勢で動作を行う
・生活リズム・動作・バランスの見直し
・環境整備
・自助具やスプリントの使用
という大きく6つの考え方を用いながら、対象者にとって、関節に負担をかけない中での生活を送れるようにしていきます。
例えば、トイレ動作を考えてみましょう。
トイレ動作では、立ち上がり動作において膝関節への負担が高まります。
このとき、関節保護の考え方を用いた場合、
・立ち上がりやすいように補高便座を用いる(環境整備)
・前方にバーを設置し、立ち上がりやすくする(環境整備)
・前腕部で押して立ち上がる(大きい関節を使用する)
などが考えられます。
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関節破壊や変形を防ぐための方法の例
関節破壊や変形を助長してしまう肢位は、案外身近な環境が影響していることがあります。
対象者のベッド環境を例に挙げます。
マットや寝具はどのようなものを選択しているでしょうか。
良いマット、寝具選びの基本的な考え方としては、
・体が沈まない程度の硬さ
・かけ布団は温かく、軽いものを
・まくらは低めのものを用いる
などが挙げられます。
マットが柔らかすぎると、脊柱の彎曲を助長しやすくなるため、固めのものを選択する方が無難です。
かけ布団が重すぎると、その重みで関節変形を助長する恐れがあるため注意が必要になります。
まくらは、高すぎると頚椎の前屈が強まってしまうため、低めのものを選ぶ方が無難です。
枕の高さに関しては、以下の記事も参照してください。
スマホ首、ストレートネックに対する枕の選び方
次に、動作中に動くことが苦痛になった場合にはどうするかを考えていきます。
このような場合、その動作をすぐに中止します。
また、動作が途中で苦痛になるような活動は初めから行わないようにする方が無難です。
関節破壊や変形を防ぐための鉄則として、
・大きな関節や強い筋肉を用いて動作を行う
・両手で動作を行い負担を分散する
・関節に負荷がかかりにくい動き方を学習する
ということが挙げられます。
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安静と活動量のバランスの取り方
関節リウマチの対象者で、「昨日は草むしりをやりすぎて、今日はかなり体がしんどい」などと外来で来られる方をよく経験します。
それだけ、関節リウマチにおいては活動量の調整は難しいということを表しています。
安静と活動のバランスを取る際に気をつけることは、
・十分な睡眠時間を確保する
・無理のない範囲で活動を行う
・仕事などではこまめに休憩をとる
ことが挙げられます。
これにより、体力の消耗を防ぎながら、耐久性をつけることにつながります。
同一肢位を長時間とることは避けなければなりません。
それは、長時間同じ姿勢をとり続けると、筋肉の疲労につながってしまうためです。
また、努力的な動作や活動も避ける必要があります。
これにより、関節破壊を防止することにつながります。
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作業療法における運動療法的アプローチ
作業療法では、機能的な維持・改善を目指していく必要もあります。
関節可動域訓練では、関節のアライメントの崩れを修正することで、変形予防や維持につながることも考えられます。
関節可動域訓練における注意点としては、
・関節の痛みがなくても、その周りの筋に圧痛があり、疲労がみられることがある
・圧痛がなくても、筋萎縮や筋短縮がみられることがある
・圧痛や筋短縮がある場合、リラクゼーションを行ってから関節可動域訓練を行う
ということが挙げられます。
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急性期における関節可動域訓練では、
・消炎、安静のため、良肢位保持に努める
・筋萎縮の予防も同時に行いたいので、等尺性運動や痛みがない範囲での自動運動も行う
・自動運動が難しければ、他動運動を可能な範囲で行う
ことが基本になります。
亜急性期における関節可動域訓練では、
・安静を基本としながらも、可能な範囲で自動運動または自動介助運動を行う
・可能な範囲で筋力維持を図る
・ ADLは無理のない範囲で行う
ことが基本になります。
慢性期における関節可動域訓練では、
・炎症が治まっているため、積極的に関節可動域訓練や筋力増強を行い、耐久性のupを図る
・作品作りなども用いることで、楽しみな活動を行いながら機能維持、向上を図る
・しかし、運動量の配慮は必須
などが基本になります。
このあたりは、薬物療法との兼ね合いもあることから、その経過をDrに確認しながら作業療法を進めていくことになります。
対象者は日々の生活や今後に対する不安も強く持っていることから、セラピストは話し合う機会を設けながら、積極的にリハビリテーションに参加できるように配慮していく必要があります。
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転職サイト利用のデメリット
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