リハビリテーションを行うにあたっては、常にリスク管理を考えておく必要があります。患者様が急変する機会を目にすることは少ないとは思いますが、いざそのようになってしまった場合に、どのように対応しておくかを知っておかなくてはなりません。今回、リハビリテーションとリスク管理として、リハビリの中止基準についてまとめていきたいと思います。

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リスク管理の重要性

リハビリテーション場面ではどのような急変が予測されるでしょうか。
例えば症状としてはてんかん、嘔吐、呼吸困難、胸部痛、疾患としては脳血管障害、心疾患、深部静脈血栓症などが考えられます。
上記のような症状や疾患が確認された場合には、即座に対応を求められますが、なかなかどうすればよいのか、対応に苦しむこともあるかと思います。
まずは、リスク管理への知識を整理しておくことが適切な対応への第一歩となります。

これらの症状が、リハビリテーションを通して起こることも考えられます。
そのようなことにならないためにも、自分自身を守るためにもきっちりとリスク管理を行えるようになっておく必要があります。

リスク管理に関することは、以下の記事も参照してください。

リハビリテーションとリスク管理:胸部痛の訴えがある場合

リハビリテーションとリスク管理:呼吸困難や異常呼吸の訴えがある場合

脈拍測定の結果の解釈とリスク管理

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リハビリの中止基準はどのように考えればよいか(アンダーソンの改訂基準)

学生時代に習う基準として、アンダーソンの基準があったと思います。
アンダーソンの改訂基準を以下に示します。

訓練を行わないほうがよい場合
・安静時脈拍120/分以上
・拡張期血圧120mmH以上
・収縮期血圧200mmHg以上
・動作時しばしば胸心痛がある
・心筋梗塞発作後1ヶ月以内
・心房細動以外の著しい不整脈
・安静時に動悸、息切れがある

途中で訓練を中止する場合
・運動中、中等度の呼吸困難が出現
・運動中、めまい、嘔気、胸心痛が出現
・運動中、脈拍が140/分以上となる
・運動中、1分間10回以上の不整脈が出現
・運動中、収縮期血圧40mmHg以上または拡張期血圧20mmHg以上上昇

途中で訓練を休ませて様子をみる場合
・脈拍数が運動前の30%以上増加
・脈拍数が120/分を超える
・1分間10回以下の不整脈の出現
・軽い息切れ、動悸の出現

このような基準となっていますが、はっきりいって数字として覚えるのは大変です。
そのため、リスクが予測される対象者の方とリハビリテーションを行う場合には、いつでも確認できるようにしておくことが大切になります。

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リハビリの中止基準はどのように考えればよいか(ガイドラインに基づいて)

リハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドラインというものがあります。
そこには、リハビリの中止基準が記載されています。

積極的なリハを実施しない基準
・安静時脈拍40/分以下または120/分以上
・安静時収縮期血圧70mmHg以下または200mmHg以上
・安静時拡張期血圧120mmHg以上
・労作性狭心症の場合
・心房細動のある方で著しい徐脈または頻脈がある場合
・心筋梗塞発症直後で循環動態が不良な場合
・著しい不整脈がある場合
・安静時胸痛がある場合
・リハ実施前にすでに動悸・息切れ・胸痛のある場合
・座位でめまい冷や汗動悸などがある場合
・安静時体温が38度以上
・安静時酸素飽和度(SpO2)90%以下

リハを中止する場合
・中等度以上の呼吸困難、めまい、嘔気、狭心痛、頭痛。強い疲労感などが出現した場合
・脈拍が140/分を超えた場合
・同時収縮期血圧が40mmHg以上または拡張期血圧が20mmHg以上上昇した場合
・頻呼吸(30回/分以上)、息切れが出現した場合
・運動により不整脈が増加した場合
・徐脈が出現した場合
・意識状態の悪化

いったんリハを中止し回復を待って再開
・脈拍数が運動前の30%を超えた場合。ただし、2分間の安静で10%以下に戻らない時は以後のリハを中止するか、または極めて軽労作のものに切り替える
・脈拍が120/分を超えた場合
・1分間10回以上の期外収縮が出現した場合
・軽い動悸息切れが出現した場合

リハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドライン

このような基準も先ほどと同様に覚えることは困難だと思います。
そのため、リスクが予測される対象者の方については、いつでも基準値を確認できるようにしておくことが大切になります。