整容動作の評価では、観察評価から、対象者にとって何が問題となっているかを把握することが大切です。その際、見るべきポイントがわかっていると、分析において推察しやすくなることは言うまでもありません。今回、整容動作における評価のポイントを、動作に必要な各機能の視点からまとめていきたいと思います。

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口腔ケア(歯磨き動作)の動作分析のポイント

口腔ケア(歯磨き動作)における、動作分析や評価のポイントを、各機能から見ていきたいと思います。

口腔機能

ここでいう口腔ケアとは、歯ブラシを用いたブラッシングを想定しています。

歯磨きにおける口腔機能を考えた場合、
・流涎の有無
・閉口の不全
・食物残渣の状態
・意識レベル
などが考えられます。

よく観察される事項としては、ブラッシングをしている途中によだれが口元から垂れてくることがあります。
また、口がうまく閉じれない方においても同様によだれが垂れてくることもみられる場合があります。
このような場合、その原因を言語聴覚士の方に情報収集を行う必要があるでしょう。

また、対象者自身がよだれが垂れていることに気づいているのか、その対処方法はどのようにしているのかなども評価していく必要があります。

食物残渣の状態では、食事の際に最後まで飲み込みできなかった分が口腔内に残っている可能性があります。
このような状態では、口腔内の衛生環境が保ちにくくなるため、確認する方法を検討したり、ケアの必要性を検討していく必要があるでしょう。

意識レベルの状態も口腔ケアを考える上では重要になります。
意識レベルが低下している状態で動作を行っても、適切な動作遂行は困難になります。

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座位・立位保持姿勢

どのような活動を行うときも同じですが、座位・立位保持がしっかりとできているかどうかは、活動の適切な遂行にかなり影響します。

座位・立位保持が不安定な中で活動を行うと、姿勢保持に労力を要し、疲れやすくなったり、手元の細やかな動きが行いにくくなることが考えられます。

評価の視点としては、
・姿勢が安定しているか
・頸部、体幹、四肢の状態がどうなっているか
・座位、立位の耐久性
をみていくとよいでしょう。

その際、支持基底面と重心線の関係性から、姿勢が安定しているかを見ていく必要があります。

姿勢保持に必要な筋機能、バランスはあるのか、ないのであればどのようなサポートを行えば姿勢が安定するのかを考えながら評価を行っていくことがポイントになります。

上肢操作

上肢操作は整容動作における中心的な評価項目になります。

上肢を自由に操作するには、姿勢の安定性や中心部である肩の安定性が必要不可欠です。

評価のポイントとしては、
・上肢を空間でうまく保持できているか
・末梢部の手指で道具を保持したり操作できているか
・歯ブラシ、コップといった道具が対象者の状態にあった適切なものとなっているか
・利き手交換の必要性はあるか
・口と手の協調性があるか
などになります。

手をうまく使用するには、肩甲帯・肩甲上腕関節の安定性、肘の安定性、手関節の安定性など、手につながっていく各部位の安定性が必要になります。
道具の操作に不十分さが見られた場合に、それがどの部分の不安定さからきているのかをさらに評価していく必要があります。

活動の遂行中に行う評価としては、不安定だと思われる部分をサポートし、それによって道具操作に安定性が増すかどうかを直接みることもできます。
その後、各機能(関節可動域、筋力、感覚、高次脳機能)を評価し、道具操作が拙劣になっている原因をつきとめていくことが良いでしょう。

口と手の協調性では、対象への顔面への接近(体幹の運動)が適切に行えているのか、口までの運搬が適切に行えているのかを評価していきます。

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認知機能(高次脳機能)

認知機能(高次脳機能)においては、
・注意
・道具の適切な使用
を主に見ていくことになります。

注意障害があると、動作遂行中に注意散漫によりキョロキョロとしたり、遂行中に必要な注意の維持ができなくなることがあります。
その結果磨き残しが増えたりすることがあります。

道具の適切な使用方法に関わるのは、運動性失行や観念性失行になります。
運動性失行では、道具の面を対象に適切に向けることが不十分になったり、道具操作自体が拙劣になることがあります。
これは、例えば歯ブラシの面を歯にうまく当てられないということがあります。

観念性失行では、道具の使用方法を間違えたり、動作の手順を間違えたりすることがあります。
例えば、歯ブラシで髭を剃ろうとしたり、歯磨き粉をコップのなかに入れようとしてしまうことがあるかもしれません。

他にも、観察するポイントとしては、水道栓の操作は適切か、温度調節は自己にて行えるのか、複数物品の使用場面ではどうなるのか、口腔顔面失行により開口が不十分ではないかなどを評価していきます。

もちろん、半側空間無視や保続などの他の高次脳機能障害がみられることがあるかもしれません。

その他

その他の項目としては、
・歯磨きのスピード
・リスク管理
・環境が対象者に合っているか
・自己管理能力はあるか
・介助の状態と方法に問題はないか(過介助になっていないか)
・時間経過に伴う変化(易疲労性により動作遂行が不十分にならないかなど)
を評価していくと、口腔ケアをしっかりと評価できると思います。

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