意識障害の評価には、JCS (Japan Coma Scale)とGCS(Glasgow coma scale)が主なものとしてあります。実習では最低限この2つの評価について理解しておく必要があります。今回、JCSとGCSの評価方法や、意識障害における注意点についてまとめていきたいと思います。

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意識障害評価の意義や目的

意識障害を評価する意義について考えていきます。主なものとして、
・全身状態の把握
・リハビリテーション実施上のリスク管理
・訓練方針の決定や訓練実施の決定の判断材料
などが挙げられます。

実習においては意識障害がバリバリの方を担当することは少ないと思いますが、「傾眠傾向」など対象者の方を担当することもあるかもしれません。
そのような際に、リハビリテーション実施者として意識障害を評価できることは重要だと思われます。

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意識障害の分類

意識障害の分類としては、以下のようなものがあります。

昏睡:いかなる刺激にも反応しない状態
半昏睡:痛覚などで顔をしかめたり、手足を引っ込めるような反応をする
混迷:強い刺激で起こすと、短時間は「目を開けて」などの簡単な指示に従う
傾眠:放置すると眠るが、刺激して起こすと質問に答えたり動作を行う
無関心:もっとも軽い意識障害で、周囲に対して注意力を欠き、ぼんやりした状態
錯乱:注意力低下のため理解不良や見当識障害、記憶の誤りがある状態

意識が正常なことを「意識清明」と呼び、その状態としては、
覚醒状態で意識内容が明瞭、現状の認識がしっかりとできており、思考や判断が保たれ、合目的的な行動が可能で、それを記憶にとどめておける状態をいいます。
意識清明状態の客観的指標は、見当識が良好なこと、課題に対しての熟考が可能なこと、記銘力が良好なことと、追想が可能なことなどがあります。

また、意識の変容状態というものがあり、これの代表が「せん妄」となります。

軽度ないしは中等度意識混濁の上に、活発な精神内界の活動が加わり、無秩序な観念、錯覚や幻覚(錯視や幻視が多い)、妄想が現れ、思考散乱(支離滅裂)を示し、不安や苦悶などの激しい情動の動き、まとまりのない行動を示す。この状態は夜間に起こりやすいので夜間せん妄と呼ぶが、一日中続くこともある。

脳卒中最前線 第3版 P216



意識障害については、以下の記事も参照してください。
意識障害の発生メカニズムとJCSによる評価、結果の解釈
高次脳機能障害における意識と軽度意識障害の評価法
意識障害の定義と分類、症状について:混乱しやすい概念を整理する
せん妄の重症度評価:MDASの概要と実施方法、結果の解釈

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意識障害の評価方法

基本的注意事項としては、
・リハビリテーション実施前後で確認
・治療中に急変した場合、最低限意識状態や血圧、呼吸状態を確認する
ことが挙げられます。

JCS (Japan Coma Scale)

覚醒度の障害の評価としてよく用いられるものにJapan Coma Scaleがあります。3-3-9度分類という呼称で作成されています。

Ⅰ 刺激しなくても覚醒している状態(―桁で表現)

1 大体意識清明だが、今ひとつはっきりbない

2 見当識障害がある

3 自分の名前、生年月日がいえない

Ⅱ 刺激すると覚醒する状態−刺激をやめると眠り込む−(2桁で表現)

10普通の呼びかけで容易に開眼する
(合目的的な運動をするし言葉もでるが間違いが多い)
20大きな声、または体を揺さぶることにより開眼する
(簡単な命令に応ずる。例えば離握手)
30痛み刺激を加えつつ、呼びかけを繰り返すとかろうじて開眼する

Ⅲ 刺激しても覚醒しない状態(3桁で表現)
100痛み刺激に対し、はらいのけるような動作をする
200痛み刺激で手足を動かしたり、顔をしかめる
300痛み刺激に反応しない

注 R :不穏、I: 失禁、A :無動性無言、 失外套症候群

軽度意識障害の場合、JCSでⅠ(1桁)の刺激しないでも覚醒している状態のことが多くあります。
軽度意識障害は発見されにくいこともあり、開眼して普通に話していても、その内容に見当識障害が現れていることがあります。
頭部外傷や脳血管障害の急性期・亜急性期に、健忘に伴う自発性の作話がみられることもあります。

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GCS(Glasgow coma scale)

Ⅰ 開閉眼反応(E)

4.自発的に開眼している
3.呼びかけにより開眼する
2.痛み刺激により開眼する
1.刺激を加えても開眼しない

Ⅱ 言語反応(V)

5.見当識障害がある
4.会話に間違いがある
3.会話にならない
2.音声のみ
1.発生なし(気管切開の場合はTと記載)

Ⅲ 運動反応(M)

6.命令に従う
5.痛み刺激部位に手足をもっていく
4.痛み刺激に対し逃避反応による屈曲が出現する
3.痛み刺激に対し異常な屈曲反応が出現する
2.痛み刺激に対し四肢を伸展する
1.全く反応しない

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意識障害がみられる疾患や状態

実習中において、意識障害がみられる疾患や状態について把握しておくことが重要です。

糖尿病性の低血糖症状

血糖値が位70以下になると、手足の震えや冷や汗、生あくび、体のだるさ、動悸などがみられることがあります。
予防としては、食事摂取、運動量調整、運動時間などに注意します。
低血糖症状が起こらないように、1単位の捕食(ビスケット、クラッカーなど)、ブドウ糖10g、砂糖10〜20gを摂取します。

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長期臥床後の起立性低血圧

長期間臥床していた方では、起き上がりや座位などの姿勢変換をすることで起立性低血圧を起こすことがあります。