更衣動作は、身体機能、感覚機能、高次脳機能の要素が複雑に絡んでおり、評価の視点もおのずと多くなります。今回、更衣動作の評価のポイントについてまとめていきたいと思います。

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更衣動作の評価の順序

対象者にとって、着衣と脱衣では、脱衣の方が動作的には簡単に遂行されることの方が多いと思います。

着衣が困難でストレスを感じやすい方の場合、評価としては脱衣から行う方が良いかもしれません。

評価の際に注意しなければならないことは、対象者の方に負担をかけすぎないことです。

初期からストレスを与えすぎると、信頼関係が取りにくくなることもあるからです。

脳卒中片麻痺者の場合には、着衣で障害が現れやすくなります。

例えば、着衣の時には衣服の裏表の識別、前後の識別、着る手順の理解、着衣が難しくなったときの修正・解決の方法、服の身なりへの意識、座位バランス、立位バランスなどの情報が得られるでしょう。

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更衣動作の評価に必要な物品

更衣動作には、以下のような物の着脱を評価する必要があります。

・前開きシャツ
・かぶりシャツ
・下着
・ズボン
・靴下
・靴
・装具

これらの物品が必要になりますが、評価を行う時に大切なポイントがあります。

それは、これらを一連の流れで全て脱ぎ着してもらうことです。

なぜそのように行うかというと、更衣動作は様々な動作が連続して連なっている動作だからです。

高次脳機能障害で失行がある方では、初めに上着を着てから下着を着ようとしたり、シャツの穴にズボンのように足を通すなどの行為のエラーが見られることがあります。

そのようなことがあるので、更衣動作に必要な物品を並べておき、「着替えてくださいね」と指示を出すことで、更衣における動作のエラーが生じないかを観察評価していきます。

 

基本的に、服は普段対象者が着ているものを選ぶ必要があります。

できるADLの能力としての評価をする場合は、リハビリ室にある服や、大きめのサイズの服を着ても差し支えありません。

情報収集として、普段の服装を尋ねておくことも大切です。仕事をしている方であれば、もしかしたらスーツを着用しているかもしれません。

その場合、ネクタイを締める動作を行う必要があるでしょう。

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更衣動作はどのような要素で成り立っているか

更衣動作を行うには、以下のような要素が必要になります。

・十分なバランスをとることができるか
・姿勢を制御しながら、四肢の運動を行えるか
・衣服から得られる皮膚との接触情報に対して、四肢体幹が協調して運動できるか
・上肢操作能力や手指巧緻動作能力
・末梢部の操作性を保証する中枢部の安定性
・衣服の違い(素材など)に対する身体の反応を変える適応力

更衣動作では、特に上衣では着衣や脱衣の際に視覚が遮られることがあります。その時には、深部感覚情報と前庭感覚情報に基づいて姿勢を制御し、バランスを保つ必要があります。

更衣動作は衣服に対して四肢と体幹の協調された運動を必要とします。そのためには、体幹の安定性や中枢部の安定性が確保されていることが必要になります。

更衣動作では、ファスナー操作やボタン操作など、手指巧緻性を必要とするのが特徴です。

脳卒中片麻痺者では、運動麻痺や感覚障害などによって手指巧緻動作障害が生じる可能性が高く、また、運動性失行により左右両方の手に不器用さが生じることも考えられます。

自助具の使用により解決できるのか、または運動、感覚、高次脳機能の改善を軸にしていくのかなど、そのあたりの見極めを評価を通して行っていくことがポイントになります。

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更衣動作の評価のポイント

更衣動作の評価のポイントは、以下のようにまとめることができます。

上衣

・服を持つ手を体に届かせる範囲や袖などに手を通す時の肩の運動制限
・服の左右、上下、前後など身体各部と衣服との位置関係の理解

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下衣

・足をズボン穴に入れるときの服の前後の認識
・長座位で行う場合のバランス保持能力
・背臥位での臀部の持ち上げ能力(ブリッジ)
・患側下肢の持ち上げ能力
・座位バランス保持能力
・立位の場合、片足立ちとしゃがみこみ動作の能力

高次脳機能障害

・半側空間失認
・半側身体失認
・服の部位の認知
・自己身体の認知
・観念失行
・観念運動失行

 

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