半側空間無視の検査で有名なのはBITなどですが、身体空間の無視において、評価を数値化できるのがComb and Razor/Compact testになります。今回、その概要と評価方法、結果の解釈についてまとめていきたいと思います。

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半側空間無視と身体空間の無視

半側空間無視は、分類でいうと親カテゴリー的なものであり、その下位分類があります。

自分の体を中心として、目の見える範囲で空間を考えたときに、

自己身体空間において左側の身体に無視が生じる personal neglect や主に手によってリーチング可能な空間としての近位空間における無視( near extra personal or peripersonal space ),さらにリーチング範囲を超えた空間にあたる遠位空間における無視(far extrapersonal or extrapersonal space )があり,この3つの空間で無視症状が解離して生じることが報告されている

中田佳佑他「半側空間無視の臨床所見および病態メカニズムとその評価」保健医療学雑誌 7(2):67-76,2016.
と半側空間無視を分類することができます。

また、自分の体を中心として、左右の空間を無視を、「自己中心的空間の無視」と呼びます。

この無視では、無視の境界線みたいなものはなく、その時の課題の状況ににより無視が生じる範囲は変化します。

また、ひとつの物や枠組みに対する無視を「対象中心的空間(物体中心)の無視」と呼びます。

この無視では、例えば、ご飯を食べていて、お皿の中の左半分を残しているような場合です。

最初の説明での無視の場合、自分の真ん中よりも左側にあるおさらに気がつかないといった症状になります。

 

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ADL遂行中における、空間領域の無視では、それぞれ以下のようなことが観察される可能性があります。

個人空間、あるいは身体無視:

顔の左側を洗わない
顔の左側を剃らない
身体の左側を洗わない
移乗動作で身体の左側を組み込まない
身体の左側を使わない

近位個人外空間(リーチできる範囲)の無視:

洗面台の左側で対象物が見つからない
テーブルの左側の対象物が見つからない
読めない
電話ダイヤルの左側が見つからない
皿の左側の食べ物を食べない
車椅子の左側のブレーキを探せない

遠位個人外空間無視:

壁の左側にある時計を見つけられない
移動で道に迷いやすい
玄関口を進めない
テレビを見ることが困難
声を出した人を見つけられない

今回テーマにしているComb and Razor/Compact testは、上記の中でも「個人空間、あるいは身体無視」における評価になります。

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Comb and Razor/Compact testの概要

Comb and Razor/Compact testは、身体無視がどの程度あるのかを数値化できるテストになります。

このテストの特徴は、身体無視の中でも、顔の領域のみに焦点を当てているテストになります。

Comb and Razor/Compact testでは、その名前の通り、

・櫛で髪を梳(す)く
・カミソリで髭をそる
・パフでパウダーをはたく

の3つの課題があります。

これらのうち、「櫛で髪を梳く」課題は男女共通で実施されます。

また、「カミソリで髭を剃る」課題は男子のみ、「パフでパウダーをはたく」課題は女子のみが行います。



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Comb and Razor/Compact testの評価方法

前途した課題に対して、

・左側にストロークした回数
・右側にストロークした回数
・あいまいなストロークの回数

を検査時間である30秒間それぞれ数えておきます。

これらのうち左が何%であったのかを数値化していきます。

そのため、数式としては、「左のストローク数÷ストローク総数」になります。

そして、男子では「櫛で髪を梳(す)く」「カミソリで髭をそる」の課題を合わせた中での左でのストロークの平均値を出します。

そのため、「櫛で髪を梳(す)く(左の%)+カミソリで髭をそる(左の%)÷2」の数値を出します。

同様に、女子では「櫛で髪を梳(す)く」「パフでパウダーをはたく」における数値を出します。

 

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Comb and Razor/Compact testの結果の解釈

この検査において算出された数値は、顔面領域における身体無視がどの程度左右差があるかを知る指標になります。

また半側空間無視やADL訓練における効果の指標ともすることが可能です。

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「作業療法士になるには」「なった後のキャリア形成」、「働きがい、給与、転職、仕事の本音」まるわかり辞典

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