高次脳機能障害は、日常生活の中で様々なことを阻害する要因になります。高次脳機能障害の観察評価においては、日常生活での工事脳機能障害の現れ方を把握していると、その程度や状態を把握するのに役立ちます。今回、高次脳機能障害は日常生活の中でどのような困難として現れるかということについてまとめていきたいと思います。

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高次脳機能障害と日常生活

脳が損傷を受けるとその部分が担う機能に対する機能障害が生じます。

これが、高次脳機能障害となり、記憶や注意、行動や意欲などの機能を低下させ、日常生活に悪影響を与えることになります。

リハビリテーション評価では、日常生活場面の観察を通して、対象者が抱いている困難さはどの機能低下により生じているかを推論していく必要があります。

その際に、ある程度日常生活における高次脳機能障害の出方と、それに対応する障害を把握していると、臨床推論に手助けとすることができます。

以下に日常生活上での問題点を挙げていきますが、あくまで一例です。

対象者の生活状況や家族・介護者に情報収集をもとに、観察するべき項目を絞っていくとよいでしょう。

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前頭葉症状と日常生活上の問題点

・食事で口の中にどんどんと食べ物を運ぶ(ペーシング障害)
・食事で口のなかに食べ物を入れたまま噛まない
・食べ物をうまくつかめない
・動作に必要な用具を用意できない
・衣服が汚れていることに気づかない
・排泄で水を流さない
・トイレに行きたくないのに行ってしまう
・移動で障害物にぶつかる
・問題解決の方法がわからない
・時間の過ごし方が不適切
・注意散漫、集中力が続かない
・状況判断や判断力の低下

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半側無視と日常生活上の問題点

・食事で半分を残す
・食事でこぼしていても気にならない
・整容で顔半分をやり残す
・洗体で半分を洗い残す
・服を片側着ない
・服の片側が整っていなくても気にならない
・車いすブレーキやフットレストのかけ忘れ
・移動で障害物にぶつかる
・左の曲がり角に気づかない
・文章の一部を飛ばして読んでしまう
・電話がかけられない

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観念性失行、運動性失行と日常生活上の問題点

・箸やスプーンの使い方が不器用、拙劣
・歯ブラシが歯にうまくあたらない
・髭剃りが顔の面にうまく沿わない
・道具の使用方法を間違える
・動作の手順が入れ替わる
・ドアノブが開けられない
・交通機関の利用ができない
・アイロンがかけられない
・自販機で飲み物を買うことができない
・ATMでお金をおろすことができない

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視覚失認と日常生活上の問題点

・食べ物を見て食べ物だとわからない
・衣服の前後、左右、裏表の区別がつきにくい
・人の顔がわからない
・買い物で、野菜などの商品の良し悪しがわからない

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バリント症候群と日常生活上の問題点

バリント症候群では、精神性注視麻痺・空間性注意障害・ 視覚性視覚失調の3つの症状が現れることがあります。

・対象物をうまくつかむことが苦手
・蛇口をうまく使えない
・移動で障害物にぶつかってしまう

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色彩失認と日常生活上の問題点

・服のコーディネートができない
・信号や車に気づかない

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着衣失行と日常生活上の問題点

・服の前後、左右、裏表がわからない
・服を着る順番を間違える

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離断症候群と日常生活上の問題点

・食事で食べ物をうまくつかめない
・歯磨きで歯ブラシをうまく扱えない
・整髪で櫛をうまく使えない
・髭剃りががうまくできない
・左右の手が反対のことをしてしまい、動作に時間がかかる
・洗濯機の使用ができない

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記憶障害と日常生活上の問題点

・トイレットペーパーで後始末をするのを忘れる
・道が覚えられない
・人の名前が覚えられない、思い出せない
・何度も同じ話をする
・買い物で何を買えば良いのかを忘れる
・買い物で何がどこにあるのかがわからない
・スケジュール管理ができない
・日課を覚えられない
・服薬管理が難しい

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劣位半球症状と日常生活上の問題点

・食事でこぼしていても気にならない
・服の汚れが気にならず着替えない
・安全を考慮した動作ができない
・協調性の低下
・周囲への無関心
・感情の起伏が大きい
・料理が雑になる
・メニューを考えるのが苦手
・整理整頓ができない
・問題解決が苦手
・病識の低下
・現実見当能力の低下
・判断力の低下

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ゲルストマン症候群と日常生活上の問題点

・指先の細かいことが苦手
・服をうまく着ることができない
・道に迷う
・お金の計算ができない
・署名ができない
・時計を見て何時かわからない
・電話をかけられない

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失語症と日常生活上の問題点

・協調性の低下
・周囲への無関心
・スケジュール管理ができない
・服薬管理ができない
・電話をかけることができない

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観察による評価と、それを裏付けるものを見つけていく

高次脳機能障害が、日常生活上でどの程度影響を与えているかを評価するには、基本的には観察をおこないます。

そこで見られた現象は、どのような症状から来ているのか、また、他の場面でも現れていないかを検討しましょう。

そして、対象者の脳が損傷されている部位は、どこなのかも把握しておくことは大切です。

それにより、自分が推論したことが、その部位の損傷により生じるかを裏付けることになるからです。

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転職サイト利用のデメリット

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そういった意味でも、紹介してもらった病院や施設のリハビリ科がどのような現状で、どのような人材が欲しいのかといった情報が、自分の持つ強みを活かせるかといった視点で転職活動を進めていくことが大切になります。

転職サイトは複数登録することも必要

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管理人の転職経験については以下の記事を参照してください。

「作業療法士になるには」「なった後のキャリア形成」、「働きがい、給与、転職、仕事の本音」まるわかり辞典

転職サイト一覧(求人情報(非公開情報を含む)を見るには各転職サイトに移動し、無料登録する必要があります)

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